カテゴリー:日常/雑記
こんにちは!
梅ヶ島温泉 湯の華 若女将のさゆりです。
日々蔵書が増えている湯の華文庫。
絵本と小説などはロビー、漫画は大広間に配架しています。
蔵書は数えていませんが、多分300冊くらい。
ご滞在中、自由にお読みいただけます。
今日は平和への祈りを込めて、二冊の本のご紹介。
ウクライナ民話 「てぶくろ」
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「みんななかよく」
おじいさんが落としたてぶくろを巡る、森の動物たちの物語。
ウクライナの民族衣装を着たどうぶつたち。
弱き生き物も、強い肉食獣もおなじ空間でくつろぐ姿。
私を含め、大人は勝手に今のロシア・ウクライナ情勢を重ねて見るけれど
子どもにはこの物語はどう映るのだろう?
くりかえし、くりかえしのフレーズがハマる子はハマるでしょう。
美しい絵と不思議な物語が異国情緒を味わえます。
日本人初のイコン(聖像)画家を題材とした「白光(びゃっこう)」
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主人公の無鉄砲さや周りの見えなさ。
私自身の黒歴史が重なって読むのが辛い本でした(笑)
師匠の教えに反感を抱きバチバチやりあった若い頃。
そこから自らが師匠と呼ばれる立場となり、主人公の晩年にかけての変化を読むと面白いです。
現在のウクライナにあたる地域(キエフとか)も、明治時代には「ロシア」であった場所もあるらしく、たびたび作中に登場します。
私に歴史や地理の教養がなかったので「あれ?」と思いながら読んでいました。ロシア-ウクライナの関係は昔から複雑なんですね。
嫌露感情が増してくると、直接ロシアと関係ない人や事業者などに攻撃が向くことがあります。つい最近、日本でもロシア料理店の看板が壊されたり、ロシア人を祖先に持つ方に心無い言葉をかけるといった事件が起きました。
明治時代、主人公の生きている時代にも日露関係が悪化したさいに、日本国内でロシア正教信者が攻撃されたようです。
歴史は繰り返すし、人間は学ばないものだと残念に思います。
小説として評価すると、それぞれの人物の心の描写も素晴らしく、伏線が回収される気持ちよさもあります。
それでも個人的に全体の評価は★三つ。
好みが分かれそうなのは、主人公や周辺の人物の性格についていけるかどうか…
先述のように、主人公の身勝手さが私自身の黒歴史を思い出し「あーー」となっていたたまれませんでした。
「それ、うつ病じゃないの?」と思うような、俗にいうと“神経が病みそう”な描写もありました。
東方正教会、特に明治時代のロシア正教について書かれた本は読むことがなかったので歴史書としても読む価値はあります。
ロシア正教会も、共産主義のもと虐殺されたり迫害を受けたりと受難の時代がありました。
一方、ウクライナ正教会がロシア正教会から独立する際にもひと悶着あったりと、これだけ大きな宗教となると政治絡みも切り離せない問題です。
おすすめしているのかしていないのか分からない書評となってしまいました。
この本を購入したきっかけはこちらの企画を読んで。
図書カード使い放題?!
作家さんが「3万円分好きな本買っていいよ」とウキウキで選書するコーナーです。
どなたの回か忘れましたが、確かここで紹介されていて知ったのです。
なんとなく、良さそうだなとピンと来てカートに入れていたのです。
あらすじも何もかも忘れたころにやっと購入。
自分では選ばないタイプの本でしたので、1週間かけてどうにか読むことができました。
好きか嫌いかでいうと、好きではないタイプの本ですが、
あとからじわじわと考察が膨らみ、読書中は心が動かされたので良しとします。
読んだ方と感想を話したい気分になります。
極力ネタバレを避けたレビューを心がけました。
もし、興味を持たれた方は読んでみたらいいと思います。
それなりに厚みのある本なので、滞在中に読了できるかは微妙です(笑)
徹夜覚悟で、一晩あれば読めるかな?
たまにはゆっくり読書でも。
家事や仕事の忙しさから離れて、静かにのんびり過ごすのも、温泉旅行の楽しみです♪
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