カテゴリー:読書ログ/湯の華文庫
こんにちは!
梅ヶ島温泉 湯の華 若女将のさゆりです。
湯の華の本棚にある書籍をご紹介♪
本日の本はこちらです。
自閉症の僕が跳びはねる理由(1) (角川文庫)
東田 直樹
身近な子が自閉症なので、どう対応すればいいのか気になって手に取りました。
1992年生まれの著者が13歳の時に書いた本書。
ベストセラーとなり、世界中で翻訳され読まれています。
「自閉症当事者による、自閉症解説書」みたいな。
べてるの当事者研究などとも通じるものがあります。
日常生活の自分の苦労を語る形式。
おまけの小説は、好みが分かれそう。(レビューでも賛否両論です)
自閉症の子どもが何を考え、大人たちにどう扱って欲しいのか。
非常に読みやすい文体で、参考になります。
自閉症の子の症状は、会話ができない、急に動き出したり、こだわりが強かったりなど。
保護者や周りの大人にとって、コミュニケーションが困難に感じることも多いでしょう。
そんな、困難を理解するのに役立つ本書。
・なぜ、じっとせずに動き回るのか。
・一つの事をやり続ける理由。
・赤ちゃん扱いされることにどう感じている?
など、自閉症当事者しか分からない心情を教えてくれます。
3-4項目に一回は「○○して欲しいのです」「○○してもらえると助かります」などの記述。
著者が支援者に向けたこれらの言葉は胸に刻みたい。なかでも印象に残った部分がこちら。
「こだわりは必ずやめられるからという強い信念を持ってこだわりに立ち向かってください。
(中略)
それまで、僕たちと一緒に頑張って欲しいのです。p.127」
自閉症の子特有の“こだわり”に悩まされる保護者さんも多いことでしょう。
特定の物事が好きすぎる、日常生活で欠かせないルーティンとかもありますよね。
自閉症の子自身もこだわりたくてこだわり続けている訳ではなくて、やらないと居ても立っても居られないという気持ち。
この章で感じた私の「いつか飽きるから」という気持ちが正しいのか分かりませんが、いつかは止まる。
それまで根気強く付き合っていきたい。周りはそれをサポートしていきたい。
全体を通じて、自閉症の子たちは鈍いわけではなくて、逆に様々な感覚が敏感なんだと理解しました。
ただし、一点注意事項。
本書の内容を「自閉症の子は全員こうである」と決めつけるのではなく、
「東田さんが13歳の時に感じていたこと」というスタンスで読むのが良いでしょう。
あくまで当事者体験であり、自閉症の子たちはそれぞれの感覚を持っていると思うので、本人をよく観察することが大切です。
とはいえ、大雑把に傾向を把握できるので、今後の対応には役立ちそう。
当館の本棚には他にもいろいろな書籍が配架しておりますので、ぜひ手に取ってみてください♪
山奥の温泉宿でゆっくり読書時間はいかがですか?
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