カテゴリー:読書ログ/湯の華文庫
こんにちは!
梅ヶ島温泉 湯の華 若女将のさゆりです。
久々に小説を読みました。
3日ほどその余韻に浸っております。
やっぱり読書はいいなぁ~~。
52ヘルツのクジラたち
52ヘルツのクジラたち (単行本)
著者:町田 そのこ
出版社 : 中央公論新社
発売日:2020/4/18
【2021年本屋大賞・受賞作】
「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。 孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。
注目の女性作家・町田そのこの初長編作品!
引用:Amazon.co.jp: 52ヘルツのクジラたち (単行本) : 町田 そのこ: 本
さすが「本屋大賞」受賞作!
個人的に「本屋大賞」の作品は外れが無くてよく選んで読みます。
児童虐待、ヤングケアラーといった胸焼けしそうな重いテーマですが、
ラストは軽やかに、清々しささえ感じる読了感。
ある意味安心して読める一冊です。
以下、ちょっとネタバレ
帯裏にもうひとつの物語があります。
本編の余韻に浸っている時に読むと感動倍増。
みんな幸せになって!!
ぜひ単行本を手に取って欲しいです。
本作で連想したのは中学~大学生の時に読んだこの2冊。
「“It”それと呼ばれた子」
我が子を「それ」呼ばわりして、過酷な虐待を繰り返す家族。
作中で「ムシ」と呼ぶ境遇と重なりました。
毒親と離れて幸せになって欲しいです。
Milk ゲイの市長と呼ばれた男
重要な登場人物の抱える、周りに聞こえない声。
LGBTの悩み。
家族から認められないこと、周りからの差別や、自分自身の葛藤など、
カミングアウトすることの良し悪しについても考えさせられるものです。
思春期に読んだ上記2冊が、30代の今も心に残っています。
「52ヘルツのくじらたち」を読んだ若い世代が、
年を重ねても心のどこかに本作が残っていると良いなぁ。
以下、雑感。
・自助と共助が世の理(ことわり)。
頼りすぎると共倒れするし、困っていたら周りが手を差し伸べてくれる。
そんな世の中がいいなぁ。
・引っ越し先の田舎レベルの解像度が高くて、
(海と山の違いはあれど。)他人事だとは思えない場面もあり。
新しい人が引っ越してきた時、噂話の広がることの早いこと!
私が梅ヶ島に来た際も「湯の華に嫁いできたのは外国人らしい」との噂が広がったらしいです(笑)
実際には「海外に住んでいたことがある/外国人とシェアハウスしている」という情報がどこかで変換されたみたい。
冒頭のキナコさんの心境。察するに余りあります。
読みやすい文章なので、2時間くらいで読み終わりました。
ちょっと夜更かしして読むのに良いかも。
温泉宿へのおこもり滞在の相棒にいかがですか?
「しずおかのひみつ」でお借りしました
本作は湯の華文庫の蔵書ではなく、
「しずおかのひみつ」さん@みんとしょ(私設図書館)で借りてきました。
個性豊かな棚主さんの本棚を眺めてみるのも楽しいですよ♪
しずおかのひみつには湯の華文庫@しずおかのひみつ出張所
の棚もあるので、よかったら覗いてください♪
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梅ヶ島温泉 湯の華 -ゆのはな-
静岡県静岡市葵区梅ケ島5276-2
TEL:054-269-2253
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