梅ヶ島温泉源泉を毎日薪で沸かしています♪ ~温度調節について、お客様へのお願い~
こんにちは!
梅ヶ島温泉 湯の華 若女将のさゆりです。
湯の華ではお客様が入浴後、
「お湯加減はいかがでしたか?」
もしくは
「ぬるくなかったですか?」
とお声がけするようにしています。
たいていは
「ちょうど良かったよー。気持ちよかった!」
とおっしゃっていただけるのですが、たまに
「ちょっとぬるかったかなぁ」という時も。
そんなときは急いで薪を追加しに行きます。
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▲薪で温泉を沸かしている様子です。クリックで再生
湯の華は薪ボイラーを使用している宿。
梅ヶ島温泉の源泉は38度とちょっとぬるめ。
適温である40度くらいになるように各施設で加温が必要です。
湯の華では、50年前の創業以来薪ボイラーを使い続けています。
梅ヶ島温泉を源泉としている施設は11軒ありますが、
薪を使って温泉を炊いているのは湯の華だけになりました。
なぜ薪を使っているのか
湯の華で薪ボイラーを使い続けている理由。
それは、環境負荷とコストを抑えるためです。
一般的に、入浴施設ではお湯を沸かすために灯油や重油ボイラーを使っています。
石油由来の燃料は調達が簡単で、管理もラクだからです。
一方の薪は、木材を運んだり保管するのに手間がかかります。
それでも薪を選択するのは環境負荷が少ないから。
これを語ると長くなるので割愛しますが、灯油ボイラーに比べて薪ボイラーのCO₂排出量は10分の1程度(※参考文献その1)です。
さらに、カーボンニュートラルという考え方では、薪の燃焼で発生したCO₂は、木が成長する過程で使用するので相殺されて排出量はプラマイゼロということもできます。(運搬・加工に掛かるエネルギーは除く) (※参考文献その2)
湯の華で薪として使っている木材は間伐材や木工の製造過程で発生した端材です。
こちらは有効活用されなければ廃棄物として処分されてしまうものです。
国産木材が売れなくなってために山は荒れ、間伐しても流通できずに山に放置されている木が多いのです。
端材も同様に、引き取り手がなければ、加工業者がお金を払って処分をします。
湯の華が薪として引き取ることで、間伐材の有効活用・循環型社会の一端を担えれば良いなと思っております。
これを今どきの言葉で言うとSDGsですね。 (※参考文献その3)
梅ヶ島温泉の源泉+薪ボイラーは温度管理が大変です
温泉を薪で沸かすのは、温度管理が難しいのです。
今どきの一般的な家庭用お風呂は、自動で温度調節してくれますよね?
ピッとボタンを押すと「お湯張りを開始します」
自動で適温まで入れてくれて、追い炊きも簡単。
源泉の温泉+薪ボイラーを使っている場合はそうはいきません。
何故かというと、
・源泉から供給される湯量が一定ではない
・薪だけでは一定の温度に保てない
からです。
1.源泉から供給される湯量が一定ではない
ご存じの方もいらっしゃいますが、梅ヶ島温泉は自然湧出の温泉です。
ボーリングで無理やり汲みだしているわけではなく、源泉が山から湧き出ているのです。
湯の華の岩風呂にある、温泉が流れ出す滝。
チョロチョロしか出てこない時もあれば、ゴポゴポッとたくさん出てくる時もある。
したがって、たくさん湯量があるときは沸かすスピードが追い付かずにぬるくなってしまう可能性があります。
2.薪だけでは一定の温度に保てない
焚き火をしたことがある方は想像がつくと思いますが、
薪で一定の火力を維持するのは至難の業です。
薪を入れる量とタイミング、空気を送る量…
薪の材質・木の種類によっても長く燃える種類、すぐに燃える種類等があります。
これらを考えながら薪を投入するのも面白いところではありますが…
上手に薪風呂を沸かすのは職人技と言ってもいいかもしれません。
あとは、接客や調理につきっきりになってしまい薪を入れるのを忘れてしまうこともあります(^^;)
温泉の温度について、お客様へお願い
温泉の入浴方法については館内案内にてご案内しております。
湯の華館内案内フルバージョンはこちらからご覧いただけます。
温度調整の部分で
「熱くてもぬるくても、混ぜるのね(笑)」
というお声をいただきます。
その理由はこちらの図でお判りいただけるでしょうか?
絶望的に絵心がなくて申し訳ないです…
熱いお湯は上に、冷たくなった水は下に沈みます。
熱すぎたりぬるすぎたら、上と下の温泉を混ぜて、
温度を均一にしてみてください。
その際は足元が滑りやすいのでお気を付けくださいね。
それでもぬるかったら温泉の温度を上げるので、お手数ですがお声がけください。
ぬるめがお好きならそのままご入浴いただいても大丈夫です。
ただ、温度調節ができなくてぬるいわけではないので、「ぬるくて嫌だな」と感じたら遠慮なくおっしゃってくださいませ。
お手数をお掛けして申し訳ありません。
薪を沸かして温泉を沸かしておりますのでご理解の程お願いいたします。
◆
参考文献その1(クリックしてリンク先に移動)
山村地域での薪ボイラー利用によるCO2削減効果の推算|NII-Electronic Library Service
参考文献その2(クリックしてリンク先に移動)
カーボンニュートラルとは|みるみるわかるEnergy
参考文献その3(クリックしてリンク先に移動)
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 17の目標ごとの説明、事実と数字|国連広報センター
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梅ヶ島温泉 湯の華
TEL:054-269-2253
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