湯の華ブログ

若女将が、最近の出来事や猫の様子、梅ヶ島の観光情報、宿周辺の景色などをご紹介するブログです。

2022年5月16日

カテゴリー:日常/雑記

「また来ます」の言葉が嬉しい。20代の私が過疎化の進む集落で宿を営む理由

こんにちは!
梅ヶ島温泉 湯の華 若女将のさゆりです。
今日は少し、私の宿に対する思いを書いていきますね。

というのも最近、お客様から「また来ます」のお言葉をいただくことが増えました。
この言葉を聞くと「ああ、宿を続けてよかったなぁ」としみじみと思います。

私がここ湯の華で若女将として働き始めたのが2年前。
「お客様の声」をあつめ始めたのが1年前。
皆様からいただいたお声は私の宝物です。
読み返すと、嬉しいお声がたくさんで、パワーになります!

「また来ます」の言葉通り1年以内に何度もお越しいただくお客様が増えました。
中には月に1回ペースでいらっしゃる常連さんも。
「こんな何もないところに…」と恐縮していますが、内心とっても嬉しいです。

お客様にとって梅ヶ島が第2のふるさとになる。
梅ヶ島がそんな存在になったことが、私はとても嬉しいのです。

 

“気軽に行ける秘境”梅ヶ島。

湯の華キャンプ場は、お花見キャンプができる貸切キャンプサイトです!

当館に一度はお越しの方はご理解いただけると思うのですが、ぶっちゃけ、梅ヶ島ってアクセスが悪いです。
すれ違いが困難な山道を「いつたどり着くのか」と不安にながら宿を目指したかと思います。
私も嫁ぐ前、慣れない時は「あれ?まだ先だっけ??」とか思いながら通いました。

新静岡ICから車で50分。静岡市街地から約1時間半。
これを遠いと捉えるか、「意外と近いじゃん」と捉えるかは個人差があります。
梅ヶ島に住んで2年経った今でも私は「遠い」と思っていますが(笑)

でも不思議なことに何度か足を運ぶと、道も分かってきて行くのが苦にならなくなるタイミングがあります。
私は10回くらい通ってそんな感覚になりました。
「行くたびに近く感じる」梅ヶ島はそんな場所です。

 

宿をつづけることで梅ヶ島を元気に!

私の描く未来。
30年後も存続する梅ヶ島

こういうと壮大なお話しかもしれませんが、過疎化が停まらない梅ヶ島。
今行動を起こさないと、30年後、本当に廃墟になっているかもしれません。

 

梅ヶ島の人口推移
梅ヶ島地域の人口推移

というのも見ていただきたいのはこちらのデータ。
直近30年間の梅ヶ島の人口推移です。
住民基本台帳をもとに作成しました。

30年前に800人いた人口が2019年には半減。
今の人口は300人前後です。
右肩下がりのこのグラフ。
このままあと数十年したら0になっちゃいますよ。

 

梅ヶ島の年代別人口分布

梅ヶ島の年代別人口分布

梅ヶ島の年代別に人口に占める割合をみてみましょう。
65歳以上が半数以上を占めています。

具体的な数字を出すと、
・0~19歳 44人
・20~64歳 175人
・65歳以上 230人(2020年6月時点)です。

比較対象として、少子化と言われている日本全体の人口分布がこちらです。

日本の年代別人口分布

こうして比べてみると梅ヶ島は20代~64歳までのいわゆる「働き盛り」の層が極めて手薄なことが分かります。
梅ヶ島では70代でもまだまだ現役で若いの扱いです。90代も大活躍しています。
さびしいことに、私が梅ヶ島に来て同年代(20代)の梅ヶ島在住の方とお会いしたことが無いんです( ;∀;)
2年も暮らしているのに!

高齢者が元気なのは良いことです。
良いことですが…
10年後、20年後今の65歳以上の方々が85歳、100歳になったときのことを考えると、現状維持は到底無理です。
沿道の草刈りなどを担う今の自治活動も限界が近づいています。

商いの方もそう。
ここ数年で、温泉街の旅館が何軒か廃業しました。
理由は、高齢化と担い手不足
これまで頑張っていた女将さんやご主人が亡くなったり、年齢・体力的に厳しくなったりして、経営的には問題なくても宿を辞めてしまうケース。

「宿の子どもだから跡取りに!」というのは今の時代乱暴な言い分ですが、後継ぎがないというのは何かしら課題があります。
例えば、どうしても残したいのなら自分の子どもに継がせなくても他のやりたい人に譲るという手もあったでしょう。

「梅ヶ島には仕事が無い」
若い人が梅ヶ島を出ていく理由のひとつは仕事の少なさも考えられます。
梅ヶ島で宿を続ける、ということは梅ヶ島の雇用の創出につながります。
間接的には、食材を仕入れる農家さん(農業)、関連する観光施設(観光業)への後押しにもなります。

ということで、私は宿を営むことで梅ヶ島を存続させていきたいのです。

 

たくさんの人が訪れてくれることで様々な形の交流を生み出したい

私が実感した過疎地で生活するうえでの課題。仕事の少なさと暮らしの不便さ(街へのアクセスの悪さ)について改善するためには、私たちの小さな宿一つだけではなんの影響も与えられないでしょう。

しかしながら、梅ヶ島をまた訪れる人がひとり、またひとりと増えていくことで、何かしらの良い流れが生まれるといいなぁと願っています。

例えば、起業や移住。
観光地としてそれなりに賑わえば、カフェやゲストハウスを開業したいと志す人も現れるかもしれません。
暮らすのに不自由ない程度の人口が保たれていれば、環境の良さに惹かれて移住者が増えるかもしれません。
住む人が増えれば、商店ができたり、街としての機能が復活するかもしれません。

まちづくり関係の話をすると「関係人口」というキーワードがでてきます。
この話をするとさらに長くなるので割愛しますが、関係人口を増やすことは大事です。
湯の華での滞在で、ただの観光ではない、もう一歩踏み込んだ関係を築くことが出来たら嬉しいです。

その一歩が「また来ます」の言葉に繋がっているんじゃないかな、と思っています。
もちろん、普通に観光で「また来ます!」の意味でも、もちろん嬉しいです!

イステーブルで食事

訪れた方が宿を通して地域とつながる。ちょっと踏み込んだ関係を目指しています。

 

山奥移住ぶっちゃけ話はこちらから

梅ヶ島に暮らして思うこと ~山奥移住体験談~

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