湯の華ブログ

若女将が、最近の出来事や猫の様子、梅ヶ島の観光情報、宿周辺の景色などをご紹介するブログです。

2022年2月5日

カテゴリー:梅ヶ島温泉 周辺観光

信玄の隠し湯と言われる梅ヶ島温泉の歴史について

こんにちは!
梅ヶ島温泉 湯の華 若女将のさゆりです。
今日は改めて、梅ヶ島温泉の歴史についてご紹介いたします。

「静岡に住んでいるけれど梅ヶ島温泉って良く知らない」
そんな方も多いかと思います。
私自身、静岡県西部に生まれ育ち、大学時代には静岡市に住んでいましたが梅ヶ島温泉は聞き馴染みはありませんでした。

静岡県で有名な温泉地と言えば熱海や伊豆を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
こちら梅ヶ島温泉は、静岡県と山梨県との県境に近い山奥、いわゆる秘境にある温泉地です。
悔しいですが、気軽に行く温泉地としての知名度はそれほどではないのかもしれません。
そんな梅ヶ島温泉ですが、実は県外からも「梅ヶ島温泉」だからと足を運ぶ方も多い、温泉好きの方にとっての「知る人ぞ知る名湯」なんです。
そんな梅ヶ島温泉の歴史を紐解いていきましょう。

 

古来から愛された、入浴に適した温度の自然湧出温泉

梅ヶ島温泉の源泉は、自然湧出です。
源泉湧き出る洞窟風呂についてはこちらの記事をご参照ください。

梅ヶ島温泉の源泉は標高950メートルの山のなか!歴史ある洞窟風呂です♪

梅ヶ島温泉の源泉は山から湧き出ています。
昔は洞窟風呂として、源泉の湧き出る場所が公衆浴場として利用されていました。

梅ヶ島温泉|洞窟風呂

▲洞窟風呂からの眺め。普段は一般公開されていません。

現在は土砂災害の危険と公衆衛生上の問題で洞窟風呂は閉鎖、湧き出ている源泉は一度タンクに集められ、湯量に応じて各宿にパイプラインで運ばれて利用されています。

梅ヶ島温泉は源泉の温度が約39℃とちょうど入浴に適した温度です。
いまは入ることができませんが、この洞窟風呂は湧き出たお湯が温度調整の必要がないくらい、そのまま入って気持ちの良い温度だったと推察されます。

日本には自然に湧き出る温泉が数多くあります。
しかし源泉の温度が高すぎたり低すぎたりして、加温や加水により温度調整することも多いのですが、奇跡的に梅ヶ島温泉の源泉はそのまま入浴してちょうど良い温度だったわけです。
源泉そのままで入浴に適した温度だったことも、昔から長く愛される温泉であった理由の一つではないかと私は考えます。
現在でも梅薫楼さんの源泉金乃湯など、加温なしの本当の源泉かけ流しで提供している場所もあるので要チェックです!
※当館では温泉を薪で加温しています。(源泉から宿まで温泉が運ばれる際に温度が下がるため)

 

1700年以上前から湧き続けている、梅ヶ島温泉の歴史

安倍郡梅ヶ島村史
▲安倍郡梅ヶ島村誌 画像:静岡県立中央図書館

「安倍郡梅ヶ島村誌」(大正2年出版)によると、約1700年前にはすでに梅ヶ島温泉は人々に知れ渡っていたとされています。
そのため、それよりも昔に梅ヶ島温泉は発見されていたということになります。
1700年前というと古墳・飛鳥時代です。聖徳太子が活躍していた時代ですね。

記録が残っていることもすごいですが、これが事実なら1700年以上枯れずに湧き続ける温泉に地球の神秘を感じます。
私も梅ヶ島温泉がどうやって温泉が湧き出ているか気になって、自分なりに調べたり大学の先生に聞いたりしたのですが「梅ヶ島温泉の湧出のメカニズムは分かっていない」そうです。
成分が枯渇しないのか、とか雨の有無で濃度や量が変わらないのかなぁとかいろいろ気になります。
温泉って不思議です…

 

信玄の隠し湯~武田信玄時代に湯治場として広まる~

戦国時代には甲斐(今の山梨)の守護大名・武田信玄(1521-1573)がこの梅ヶ島温泉を気に入り利用していたと言われています。
それ以来、梅ヶ島温泉は合戦で傷ついた武士や病に苦しむ人々のための療養所のような役割をし、湯治場として栄えてきました。この伝承より梅ヶ島温泉は信玄の隠し湯の一つと言われています。

実は、今ほど道が整備されていない時代(主な移動手段が徒歩)の時代では、梅ヶ島温泉から静岡市街地(駿河)に行くよりも山梨側に行く方が往来しやすかったのです。
現在は通行止めですが、安部峠という山梨と梅ヶ島を結ぶ街道があり、車だと梅ヶ島-南部町間を30分で移動することができます。
梅ヶ島から静岡市街地まで車で1時間以上かかることを考えても、山梨側に行き来したほうが近いですね。
今は静岡市の一部の梅ヶ島ですが、昔は武田領で甲斐の国(山梨県)に属していたそうです。
「信玄の隠し湯」と言われる温泉は山梨・長野に数多くあり、ここ梅ヶ島温泉もその中のひとつに挙げられます。

 

信玄の隠し湯ってどういう意味?

信玄の隠し湯とは、戦国時代の武将武田信玄が、領地である甲斐国(山梨県)や、その周辺で湯治場として活用していたと言われる温泉地の総称です。
その当時は「隠し湯」という名称はなく、明治以降から昭和にかけ、「信玄の隠し湯」として広く知られるようになりました。
武田信玄は、戦国最強と言われた武田軍団を維持させるために、戦に医師を同行させるなど常に気を配ったと言われ、さらに負傷した兵のために何ヶ所も温泉を開発したそうです。
信玄にとって「温泉」というのは、とても重要なものでした。
引用:温泉好きの武田信玄〜信玄の隠し湯の由来や場所〜|山梨めぐり

「信玄の隠し湯」という名称は信玄の現役時代は使われておらず、明治時代よりあとになってから温泉地を売り出すためのキャッチコピーとして使われ始めたという説もあります。
とはいえ、負傷した兵士たちが休む場所である温泉は極力隠しておきたい気持ちも分かります。
温泉で傷を癒している時に敵が攻め込んで来たら大変です。

また、「隠しておきたいのは温泉ではなくて金山なのでは?」という考察もあります。
実際に、梅ヶ島にも温泉の他に日影沢金山(別名:梅ヶ島金山・安倍金山)があり、金山で働く鉱夫などもこの地の温泉を利用していたことでしょう。

また、古文書による温泉の湯治客記録からは、徳川家康や秀忠、勝海舟などの名前が、昭和に入ってからは、NHK大河ドラマ「太閤記」を長期滞在の末書き上げたという記録があるなど、多くの文化人や政治家たちに愛される名湯なのです。
これらの資料は梅ヶ島温泉最初の旅館、梅薫楼さんのロビーにて展示されております。
参考:梅ヶ島温泉の歴史|梅ヶ島温泉ホテル梅薫楼

1700年以上の歴史のある梅ヶ島温泉。
飛鳥時代 ~ 戦国時代 ~ 昭和、平成、令和と時代は変わってきましたが、その中でも変わらない梅ヶ島温泉の泉質と自然。
都会の喧騒に疲れたら、秘境の温泉でのんびりするのもいいですね。
温泉らしい硫黄の香りを感じながら、疲れも癒すことができ、肌にも優しくすべすべになります。

隠れた名所、名湯 梅ヶ島… 
はるか昔から多くの日本人に愛されてきた温泉をご堪能ください♪

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